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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
当日の天候その他、出来るだけくわしく当時の事情を調べていくうちに、遭難時刻と推定される直前に、航空船から「唯今非常にかぶって(動揺のこと)いる」という無電を打ってきた。それに対して基地から出した命令には、なんら返事がなかったので、その間に焼け落ちたものと推定された。
無電の発信には、当時三千ヴォルトの発電機を使っていたので、小さい火花ならば、発生の機会はいくらでもある。普通の場合ならば、水素は気嚢の中にあり、火花はその中ではとばないから、大した危険はない。しかしこの場合のように、機体がもまれている時は、水素の漏洩する機会も多くなるから、点火の危険も増す。
それでこの研究は、水素の細い噴流を作り、どれだけの小ささの火花で、これに点火するかを、実験的に決めることが、第一歩である。つぎには、発信用の電圧で、気嚢の上に、果してそれだけの火花が出るか否かを確める。この両者さえ分れば、それでよいわけであるが、念のため当時使っていた発信機を用いて、模型飛行船を爆破して見せる。これだけすればよいわけで、事実そのとおりにやったのである。毎晩十二時頃まで、湯本さんと二人で、大いに勉強して、それでも三か月くらいかかった。