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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
と伺ったら、「そうだね」とあっさりλ(波長の常用字)と直されたんだ。あれには少々驚いたよ。僕だったら、あんなことを書いたら、とても気になって二晩くらい眠れないんだが。「そうだね」には、実際びっくりしたよ。えらいものだね」といって、ちょっと首をすくめて見せられたこともあった。
どうも、長岡先生にとっては、地球物理学は、いわばホビィであったように思われる。寺田先生も、その点は十分よく了解しておられたようである。しかしそのホビィが、だんだん嵩じてきて、地震研究所の談話会で喋り放しにされる論文の中には、少しのんきすぎるものが、まじってくるようになった。中には、ほとんど出鱈目に近いような論文もあったそうである。もっとも長岡先生の物理学史上の地位は、長岡原子模型によって、不動のものになっているので、後年に発表された専門外の地球物理学の論文は、いわば先生の老後の楽しみとして、皆がそっとしておいてもよかったわけである。しかし寺田先生は、そういう点では、案外にきびしくて、だんだん我慢が出来なくなるという様子が見えた。
それが到頭爆発したのは、ある日の地震研究所の談話会の席上である。