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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
これほどひどい被害のあった台風は、近来珍しいくらいである。東京の新聞には恵みの台風として歓迎されたルースが、実は六百名以上の人間を殺し、二千名以上を傷つけたのである。しかもその恵みの効めたるや、僅か一日というのでは全く話にもならない。
もっとも、こんなことを幾らいい立てても、台風を食い止めることも出来ないし、治水も急には出来る話ではない。それに水力発電様式の変更などといっても、それは今のところはまだ全く夢のような話である。現在の日本の国力ではどうにもならないではないかという議論が、必ず出ることであろう。しかしこのルース台風騒ぎの一週間ばかりのうちに、新聞紙上に表われた、政府及び関係者の施策または案というのは、次のような見出しの記事のものばかりであった。
「石炭輸入と人工雨、遅れた対策取り戻す」
「電力とり合いの産業界」
「電源開発、政府で新機関、来年度に二、三百億」
「電力融通令発動か」
「都でも電源開発」
「公益委の融通強化案」
「電源開発の五ヵ年計画、安本試案成る、恒久的な電力対策」
「電源外資にドレーパー書簡」
「公益委干渉を強化」
「電化企業に融資考慮、政府の電力対策」