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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页

青空文庫

こういう雰囲気であったから、いわゆる点取虫が仲間の間ではひどく軽蔑された。それが高じて、成績の良いことを恥とする気分さえあった。学課目とは関係のない文学や哲学の本を耽読することが大いに流行したのも、当然の成行であった。私も御多分に洩れず、分らない哲学の本を無暗と読んで、得意になっていた。カントの『純粋理性批判』の英訳本を図書館から借り出してきて、机の上に飾っておいたこともある。もちろん少しも分らないのである。あの頃、夏休みになると、信州の木崎湖に夏期大学が毎年開かれた。これは現在までも続いているそうであるが、あの時代の木崎湖の夏期大学といえば、若い連中の間に大した人気のあったものである。夏休み前から大いに小遣を節約して、木崎湖まで出かけて行き、朝永三十郎先生のカント哲学を聴講したこともある。非常な名講義で、これは後になって大いに役に立った。

高等学校の三年になると、理科の学生たちは、将来の希望に従って、課目の選択をする必要があった。工科及び数学物理方面を希望するものは力学と図学をやり、医学及び動植物方面希望のものは、顕微鏡実習及び解剖を修めることになっていた。