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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
それでこの研究の結果は、他の地熱利用の問題の解決に、大いに貢献するであろうから、けっして無意味だとはいわない。むしろ奨励すべきことである。地熱発電といったほうが通りがよいのならば、それで大いに進んだほうがよい。ただ、問題の本質を知っておいたほうがよいであろう。
地熱利用について、非常におもしろい考えを提唱しているのは、野口研究所の工藤氏である。以下工藤氏の受け売りであるが、地熱の利用は、過熱水蒸気をそのまま使う工業に応用するのが、いちばん有利であるという説である。まさにそのとおりであろう。過熱水蒸気を多量に必要とする工業は、パルプでも、硫黄精錬でも、そのほかいくらでもある。そういうところで使っている石炭の一部でも、地熱で置きかえられたら、大した国益になるであろう。
地熱利用の実行方法は、原則としては、パイプを打ちこんで、過熱水蒸気を噴出させるだけのことである。そしてそれはすでに試験済みで、そう著しい困難はないことが、よくわかっている。寿命のほうも、何も心配はないので、千年以上も昔から知られている温泉が、今日までもやはり熱湯を流しつづけているところからみても、まず半永久的と考えてよい。