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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
海底の景観について、われわれはすでに相当の知識があるつもりでいる。小学生の雑誌の口絵にも、よく海底の絵がでている。赤い珊瑚の林の間に、色とりどりの海藻が雑草のごとくに群生し、その間をいろいろな魚が泳いでいる景色がそれである。
しかし実際の海底は、まるで違った景観である。一番嬉しいのは、色彩がまるで別の世界に属していることである。第一回のテスト潜水で、深度は二十メートルふきんと測定されているのに、二十メートルまでもぐってみても、底らしいものは、ぜんぜん見えない。周囲の窓ガラスはもちろんのこと、海底観測用の底部の窓も、依然として、碧玉色の薄明である。ただ底部の窓から見える光が、少し濃いみどりを呈しているにすぎない。
うねりのために、船の動揺が相当あり、潜水機もかなり動いているらしい。ちょっと危険な感じもしたが、思いきって海底に着陸してみる気になって、電話で連絡をする。船の上では相談があるらしく、ややしばらくしてから応答があって、「それではさげます」という。ところが驚いたことには、二メートルも降りたか降りないかと思ううちに、がくんと猛烈なショックがあって、潜水機は擱坐をしてしまった。