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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
それが放電、即ち落雷の現象なのである。
われわれが日常生きているこの地球上に、いつでも高さ一メートルについて百ヴォルト程度の電場があり、それを誰もが感じないのは、ちょっと不思議なようである。しかしそういうものは感じないのが、普通の人間の身体なのだから、仕方がない。従って不思議なことではない。神鳴とは関係のない話であるが、この二十年来かなり常識的になっている宇宙線というものは、非常に小さい粒子が恐ろしい速度で空から降ってきているものである。それが毎秒数十個も人間の身体を突き抜けているのであるが、誰もそんなことは知らなくて、平気で生きている。この頃になって降ってきたものではなく、エジプトの帝王の身体をも突き抜けていたのである。
雷の現象というものは、それで年中小規模には、いつでも地球上にあるものである。それが特殊の気象条件になると、急に拡大するのが即ち神鳴である。そういうものであるから、特に敏感な神経を持っている人が、この電場の変化を普通人よりも早く感ずれば、雷を予見することも、不可能ではない。
もっともこの話は、何も研究をしたり、実験をしたりしての話ではない。