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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页

青空文庫

いわんや中国古代のあの怪奇なる神仙思想に彩られた得遷の秘書が、現代のわれわれに到底近づき難いのも、また当然のことである。説明は本来不可能なことがらであるから、主として譬論比擬の言辞を以て、得遷の妙術を伝えるより外に道がない。例えば「ただ斯の妙術、審諦して誑語せず。億世の世に伝ふ。昭然として考ふべし。煥として星の漢を経るが如く、※(「日+炳のつくり」、第3水準1-85-15)として水の海に宗するが如し、之を思ひ務めて熟せしめ、反覆上下を視せしむ。千周粲として彬彬、万遍特に観る可からん。神明或は人に告げて、心霊忽ち悟らん。端を探りて其緒を索めは、必ず其の門戸を得ん」という調子である。

このように、中国神仙道の本統である丹道は、結局は大悟あるいは信に入るという形で、宗教の真髄に悟入する道を説いたものである。それでは、丹道の極致である還丹も、仏教の涅槃も、基督教の入信も、皆同じものであるかというに、それは互いに著しく異なっている。少なくもその色彩には、はっきりした差がある。そのうちでも特に丹家の還丹は、著しく特異な色彩をもっている。そこには、商や周初の銅器に見られるあの怪異な形象につらなるものがある。