轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こじきがくせい

乞食学生

太宰 治

「若草」1940(昭和15)年7~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,682 字 · 68 页

青空文庫

」少年の大きな黒い眼には、もう涙の跡も無く、涼しげに笑っている。「亡国の言辞ですよ。君は、人がいいから、だめだなあ。そいつの言ってる秩序ってのは、古い昔の秩序の事なんだ。古典擁護に違いない。フランスの伝統を誇っているだけなんですよ。うっかり、だまされるところだった。」

「いや、いや、」私は狼狽して、あぐらを組み直した。「そういう事は無い。」

「秩序って言葉は、素晴しいからなあ。」少年は、私の拒否を無視して、どんぶりを片手に持ったまま、ひとりで詠嘆の言葉を発し、うっとりした眼つきをして見せた。「僕は、フランス人の秩序なんて信じないけれど、強い軍隊の秩序だけは信じているんだ。僕には、ぎりぎりに苛酷の秩序が欲しいのだ。うんと自分を、しばってもらいたいのだ。僕たちは、みんな、戦争に行きたくてならないのだよ。生ぬるい自由なんて、飼い殺しと同じだ。何も出来やしないじゃないか。卑屈になるばかりだ。銃後はややこしくて、むずかしいねえ。」

「何を言ってやがる。君は、一ばん骨の折れるところから、のがれようとしているだけなんだ。千の主張よりも、一つの忍耐。」

「いや、千の知識よりも、一つの行動。