轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こじきがくせい

乞食学生

太宰 治

「若草」1940(昭和15)年7~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,682 字 · 68 页

青空文庫

第四回

友人はどこにいるか、制服制帽を貸してくれるような親しい友人はいないか、と少年に問い、渋谷に、ひとりいるという答を得て、ただちに吉祥寺駅から、帝都電鉄に乗り、渋谷に着いた。私は少し狂っていたようである。

神宮通りをすたこら歩いた。葉山家、映画の会は、今夜だという。急がなければならぬ。

「ここです。」少年は立ちどまった。

古い板塀の上から、こぶしの白い花が覗いていた。素人下宿らしい。

「くまもとう!」と少年は、二階の障子に向って叫んだ。

「くまもと、くん。」と私も、いつしか学生になったつもりで、心易く大声で呼びたてた。

第四回

ワグネル君、

正直に叫んで、

成功し給え。

しんに言いたい事があるならば、

それをそのまま言えばよい。(ファウスト)

「はい。」という女のように優しい素直な返事が二階の障子の奥から聞えて来たので、私は奇妙に拍子抜けがした。いやしくも熊本君ともあろうものが、こんな優しい返事をするとは思わなかった。青本女之助とでも改名すべきだと思った。

「佐伯だあ。あがってもいいかあ。」少年佐伯のほうが、よっぽど熊本らしい粗暴な大声で、叫ぶのである。

「どうぞ。