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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
「生命の川 第一巻第二号~第二巻第二号」1916(大正5)年11月16日~1917(大正6)年3月5日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,812 字 · 248 页
あなたのお手紙なのでしょう。どんなにうれしかったでしょう。私は一字ずつ、たまいたまい読みました。読んでしまうのが惜しいのですもの。あなたの手紙はほんとにいいお手紙ね。私なんかお腹に思ってることがいっぱいあっても、筆が渋って書けないからくやしいわ。
唯円 あなたもお手紙くださいな。
かえで だって私はいろはだけしか知らないのですもの、(顔を赤くする)そして書くことが下手ですもの。
唯円 いろはでたくさんです。また心に思うことを飾らずにすらすら書けば、ひとりでにいい手紙になるのです。お腹にまごころさえあれば。
かえで まごころでならだれにもまけなくてよ。私今度から手紙をあげますわ。(ちょっと考える)だめよ。どうしてあなたに渡すの。
唯円 そうですね。あなたは出られないし。使いがお寺へ来ると変だし。
かえで 何かいい分別は無くって。
唯円 (考える)私が取りに行きます。
かえで そんな事ができるの。
唯円 あなたは手紙を書いて持っていてください。私があの松の家のかけだしの下の石段のところに行って、口笛を吹きます。あなたはあの河原へおりる裏口のところから出て私に手紙を渡してください。