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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
「生命の川 第一巻第二号~第二巻第二号」1916(大正5)年11月16日~1917(大正6)年3月5日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,812 字 · 248 页
あのおとなしい浅香さんがどうしてあのようなかたが好きなのでしょうね。
遊女三 それは好きずきでしかたはないわ。あなたならあのこのあいだ善鸞様の所に見えた、若い、美しい坊様のほうがお気に召しましょうけれどね。
遊女二 冗談ばっかし。(打つまねをする)あれはかえでさんよ。
歌う声。話し声。人々の足音が聞こえる。
遊女一 こちらにいらっしゃるようよ。
善鸞、浅香とかえでと太鼓持ちと仲居を従えて登場。
太鼓持ち これはしたり。おのおのがたにはここに逃げ込んでいられたか。
善鸞 私たちをまいて、ここに来て内緒でよい事をしたのかい。はゝゝゝ。
太鼓持ち ひそひそ話はひらに御容赦。
遊女一 (善鸞に)あなたこそおたのしみ。
遊女二 私たちがいてはお邪魔と思って気をきかしてあげたのですわ。
善鸞 これは恐れ入ったな。
太鼓持ち 恐れ入りやのとうさい坊主。
善鸞 坊主とはひどいな。はゝゝゝ。
太鼓持ち これはとんだ失礼。(自分の頭を扇子で打つ)
一同笑う。
善鸞 黙って逃げた罰にもっとお酒を飲ましてやるぞ。おい酒を持って来い。
仲居 はいかしこまりました。(行こうとする)
浅香 もうお酒はおよしあそばせ。