轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
なんぼく
南北
横光 利一
「人間」1921(大正10)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,591 字 · 40 页
八
「抛っといたらええってば。」
「抛っといてそれで済むもんならええわさ。それより、お前どこで寝せるぞ、奥の間か?」
「小屋へ置いときゃええ。」
「たあいもないお前、あんとこで死なれてみい。五月になったら蚕さん夜養せんならんのに誰が恐うて行くもんがあるぞ。お前の阿呆にもあきれるわ。」
「秋が連れて来たんやないか、秋に怒ったらええ。」
「秋ってあの餓鬼、どうも仕方のない奴や。ひとん所の恩も知りさらさんとからに、ひとん処へあんな者引っ張って来やがってな、私今晩喧嘩しまくってやらんならん!」お霜は呟きながらまた大根を切った。
「米を何んぼ出しとこう?」
「連れて来るものがないと、終いにゃあんな乞食の病人引っ張って来さらして!」
「米をよ。」
「一斗でええ。」とお霜はわが子に怒鳴り出した。
八
夜、お霜が秋三の家へ安次を連れて行くと云い出したとき、勘次は秋三の前でいかにも寛大に安次を引き取った自分の態度を思い出した。これは困った。しかし、安次を拒んでいるのは自分ではないと思うと気が休まった。それに母親ひとりでとても秋三を説き伏せ終おせるものではないのを知ると、結局また安次は自分の家に落ちつくにちがいないと考えた。