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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
在线阅读直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 页
その外の人々は、俯向いたり、腕を組んだり、益満の顔を見たりしていた。益満は、言葉をつづけた。
「ただ一つ、訴状の筋、禁を犯しましたることが、無事、調所一人の自裁にて、納まりますや、否や、老中が、差赦しますか、何うか、軽輩、某の如き身分として、御老中の心中、幕府の政策を窺うのは、僭上至極の沙汰に存ぜられまするが、某、思いまするに、幕府は最早、諸大名に対し、その勢力を失墜しておりまする。又、御老中阿部殿は、穏和至極の人にござりまする。第三に、お上とはただならぬ交りの仲にござりまする。第四に、禁を犯して、密貿易を行っておりまする家は、外にもござりまする。第五に、それを、従来より黙認致しておりまする。第六に、密貿易は、国益になることにござりまする。第七に、禁を破ることとはいえ、幕府を危くすることとは異っておりまする。第八に、密貿易の証拠として御老中へ拙者より呈出しおる物は、悉く調所殿が咎めを負うべき性質のもので、当家へお咎めがござりましょうなら、某にても立派に申し開きの立つものにござりまする。第九に、当家と、幕府とは縁者にござりまする。第十に、もし、御当家へ咎めのかかることがあれば、証拠書類は、某の謀書として、この腹一つ切れば、よろしきようにも企んで置きましてござりまする。