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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

在线阅读直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 页

青空文庫

「時に――若旦那、甚だ、不躾で、叱らんで下せえ。あんた、路銀は?」

「多少、持参しておる」

「牧を探すのに、五年、十年かかっても、大丈夫でげすかい」

「そうはあろう訳がないでないか」

「でげしょうな。庄吉、今度は、お二人のお供だ。乗りかかった船で、一番、牧のところまで、食いつこうじゃねえか。手前だって、このまま別れられねえだろう。若旦那、大船に乗ったつもりでいておくんなせえ。南玉といやあ、天下の講釈師だ。庄吉といやあ、巾着切の名人だ」

「叱っ」

「路銀は、他人様の、懐中に、あずけてあるんだ。のう、庄公、いやあー、目出度え、こうなりゃ、意地だあ」

流行物

「南玉が、舞戻って来た」

益満が、立止まって、独り言のように、いった。富士春が、益満を眺めている眼の方を見ると、床屋の、油障子の下に

久々にて御目通り、桃牛舎南玉

と、書いた、寄席のびらが、貼ってあった。床屋の店先で、将棋をさしていた若い衆が、二人の姿を見て

「ようよう」

と、冷かした。益満は、濃染の手拭で顔をかくし、富士春は、編笠をきて、益満が唄うと、女が弾く、流しの、流行唄唄いの姿であった。

「堪えられねえぞ。畜生っ、こう、突いたら何うする」