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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

在线阅读直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 页

青空文庫

知らんと答える。これが、度重なると、そうでなくてさえ、斉彬公を奉じて、倒幕をしようという輩の多い時、幕府は黙っていまい。人数を向けよう。それを口実に、戦うのだ。倒幕の挙は、口火さえつけば、一挙に爆発するであろう。そして、いよいよ戦となれば、先ず、幕府には金子がない。当家には、調所の残しておいた三百万両の非常準備金がある。それから、江戸は四方から攻めかかれるが、当国は一方口じゃ。そして、天子を奉じて、錦旗を翻すなら、戦はそれまでであろう。斉彬公は、未だ、倒れんとする幕府を何んとかして生かそうと、考えておられるらしいが――それで、俺は、天下の気運に乗じ、幕府と雖も、天朝のお為とすべきこと、と、穏かに書いておいたが、俺は、先手を打って――脱藩しても、口火を切るつもりだ」

「大久保」

大久保は、顔をあげて

「三百万両で、幕府が倒せるか?」

「天下の勢いということもある」

「もし、天下が、徳川へついたなら?」

「そんなことはない。少くも、天下は二分してしまう」

「それでも、三百万両で、事足りるか」

「それは判らん」

「足りぬ時に、何うする?」

「何んとかなろう。そう一々、先のことを考えていては、何もできん」