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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

在线阅读直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 页

青空文庫

わしは、隠居をして、異国へ、理化学の研究に参りたいが、そうもならぬ。それで、お前が、わしの志をついでくれると、信じておるが、猶、念のためにこういうものを、作っておいた」

斉彬は、その書付を開きながら

「わしは、天下のためという口実にて、父上や、家中の者と争いとうない。然し、この道の外に、富国強兵の策があろうと思えぬゆえ、お前の代になったなら、この者等と力を合せて、わしの志を継いでくれ。知己を後に待つ外に方法がない。何んとなく、わしは、疲れて来たように思う。或いは、父上に先立つかも知れん。もし、左様なことがあれば、わしは、ただ徒らに、父上の金を費したことになる。何一つ、完成せぬうちに死んでは、外のこととちがい、理化学は、途中で止めては、何んにもならん。それで、わしは、江戸在留の者、国許の者の中から、こうして、有為な青年の名を書き抜いておいた。大久保、有馬、西郷の徒は、わしらと、当面の難局に当るべき人材であるし、この者らは、三十年の後に、天下の役に立つ者共じゃ」

斉彬は、手に書面を握ったまま、語りつづけていた。久光は、斉彬が家を継いで、自分のしたいと思うことを、存分にするであろうと信じていたのに、その反対の話を聞かされて、斉彬の、斉興を思う心に――そして、その斉彬に対して、斉興や、お由羅の採っている態度に対して