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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

在线阅读直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 页

青空文庫

「手間はとらせぬ」

「いや、然し――」

牧が、頭を上げて

「斎木、奥まで、頼む」

腰掛に手をついて、立上ると、よろめいた。貴島が

「危い」

と、呟いて、支えた。

「おお、和田も、高木も――」

牧は、奥の部屋の中の二人を、ちらっと見ると、すぐ微笑して声をかけた。二人は、一寸、狼狽して、軽く、頭を下げた。

「御苦労をかけた」

斎木と、貴島が、牧を案じて、部屋に近い上り口に待っているのへ、こういって、手を振って、あっちへ行けと、命じた。そして、膝へ手を当てて、大儀そうに坐った。暫く、四人は、そのままで黙っていたが

「烏帽子で、護摩壇の跡を見た」

と、玄白斎が、口を切った。牧は頷いた。

「お前の外に、あれを、心得ておる者はない」

牧は、又頷いた。

「そうか?」

「はい」

「猟師を斬ったな」

牧は、静かに、低く

「斬りませぬ」

「犬は?」

「犬は、斬りました」

「猟師は、誰が殺した?」

「余人でござりますが――然しながら――お叱りは、某が受けまする」

玄白斎は、又、暫く黙っていた。牧の、素直さに、鋭く突っ込みたくなくなってきた。

「聞くが、牧、鈞召金剛炉の型のある以上、人命の呪咀だのう」