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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

在线阅读直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 页

青空文庫

と、感じた。三足目に久光の眼に入った斉彬は、眠っているらしく、いつもの、穏かな顔――少しの窶れもなく、苦しみもなく眼を閉じていた。だが、三人の医者の顔が、身動きもせずに、見守っているのを見ると、その平和な顔が、却って、薄気味悪く感じられた。

(もし、このまま逝ってしまったなら、何うなるのだ)

久光は、喘いでくる心臓を、呼吸を、押えて、斉彬の枕頭へ坐った。そして、四人とも、暫く黙っていた。

「重いのか」

低く、囁いた。

「はい」

「病名は?」

「それが――申訳ござりませぬが、判りかねております」

久光は、お由羅の行っているという、呪殺の効験を信じなかったが、三人の、和洋医術に秀でた医者が、判らないというのを聞くと、ふっと

(牧の呪い)

と、感じたり

(兄のような人物は、病まで、常人でない病に罹る)

と、感じたり――だが、判らない、と聞くと、諦めきれぬような気がして、三人へ、腹が立ってきた。そして

「修業の足りないせいだ」

と、云いたかったが、そうもいえないで

「判らぬ?――」

と、低く、咎めた。

「お譫言が、時々、おうなされ遊ばすことが、時々――」

「うなされる?」

「はい」