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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

在线阅读直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 页

青空文庫

上の方の人々は、近頃の世間と同じように、一口に、痩浪人がと、軽蔑しながら、その浪人達の何かの力を恐れているように

「何んの、紙漉武士共が」

と、軽輩を、軽蔑しながら、その軽輩共の、身体から溢れて来る、眼から放射されて来る力に、圧迫を感じていた。

「老公が、後見とは、当然だ。浪人は、世の中を乱そうとするし、家中の軽輩共は、家を乱そうとしている。久光には、軽輩共を、押えることができまいが、斉興なら――」

「久光公は、斉彬公の真似が、上手だから、押えることができんのみか、却って、下手に、軽輩に、利用されるだろう」

「然し、もう、老公も、いいお齢だから、ここ暫くの間に、ばたばたと、押えつけてしまわぬと――」

「そうは行くまい。奴等の根というものは、ずいぶん、張っておるし、何うも、天下の大勢は、一揉めしそうではないか?」

九州の名族として、七百年来、薩南の地に、蟠居し、関ヶ原以来は、上下の分が定まって、士分階級が二つに分れ、以後三百年来、凡庸と雖も、門地さえ高ければ、傲然として下に臨み、下の者はいかに人材であろうとも、容易に、鋭出することのできなかった因襲が、斉彬のために破られて、上士の人々を、圧迫して来たことは、それらの人々にとって、容易ならぬことであった。