轻松读懂日语经典作品
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ぜんこんどんこん
善根鈍根
佐々木 邦
「オール読物」文藝春秋社、1935(昭和10)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,638 字 · 28 页
「スポーツも好いけれど、君はダン/\成績が悪くなる。何うしたのだね?」
「…………」
「この調子で行くと、五年へは上れないかも知れないぜ。もう少し勉強したら何うだね?」
「やります」
「君は高等学校を受けるんだろう?」
「はあ」
「それなら尚更のことだ」
と先生は諄々と説いてくれた。これは勉強しなければ危いという暗示だった。しかし然ういう直接為めになるのには感じが鈍い性分だから仕方がない。間もなく別の暗示が利いてしまったのである。
藤浪君と雖も、雨の日には野球が出来ない。或土曜日の帰りを同級生の家へ誘われて行った。話し込んでいる中に、同級生は、針金のような細い金物の先に綿をつけて、鼻の中へ入れて見せた。五寸ばかりのものが鼻の穴へ納まってしまうのだから、藤浪君は尠からず驚いた。
「何だい? それは」
「コカエンだ」
「薬かい?」
「うむ。僕は鼻が悪いんだ。その中に手術をして貰うんだけれど、差当りの手当として、コカエンとアドプロを塗るのさ」
「何という病気だね?」
「肥厚性鼻炎といって、鼻の軟骨が肥厚するんだ。つまり腫れているんだね。これに罹ると頭が悪くなる」
「珍らしい病気だな」