轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

「自警」1947(昭和22)年1月~1948(昭和23)年1月(5、6、11月は欠)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,419 字 · 152 页

青空文庫

「これは確かに面白い。私も最初から目をつけていた」

と、警部は空缶を指した。帆村は微笑した。

「で、警部さんは、どこに興味を感ぜられましたか」

「もちろん、それに残っている指紋のことだよ、鑑識を頼んでおいたから、今に分る」

「それも興味のあることでしょう」

帆村はちょっと肯いて

「しかし私が面白いと感じたのは別のことです」

「別のことというと……」

警部の顔面が硬くなった。

「それはですね、その空缶の中はきれいだという点です。なぜきれいであるか。すっかり中身を喰べて洗い清めたものであるか。それとも中に何もつかないようなものが缶の中に入っていたのであるか。それならば、それは一体どんなものだったろうか。中身を喰べたのち洗い清めたものなら、なぜそうすることの必要があったのだろうか……」

「また君の十八番を辛抱して聞いていなきゃならないのかね」

警部は煙草を出して、燐寸をすって火をつけた。その燐寸の燃えかすは、うっかり小卓子の灰皿の中へ投ぜられかけた。が、途中で彼は気がついて、元の燐寸箱の中へ収いこんだ。

「ははは。やっぱり私は当分しずかにしていることにしましょう」

帆村はそういって、後方の壁際へ下った。