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じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
「自警」1947(昭和22)年1月~1948(昭和23)年1月(5、6、11月は欠)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,419 字 · 152 页
「土居三津子がはっきりそういったのだね、昨夜主人に会ったことも、自分が主人の居間へ通ったことも認めたんだね」
「さようでございます」
「で、君はどういったのか」
「それはお気の毒ですが、旦那さまは只今おやすみ中ですから、お目覚めになるまでお待ちになって下さいと申上げました」
「ふむ。すると……」
「すると娘さんは、すぐ戻して欲しいのだが、鍵で扉をあけて居間へ入れてくれといいました。もちろん私はそれを断りました。居間の扉を開く鍵は私が持って居りませんので」
「娘はどうしたかね」
「では仕方がないから、御主人がお起きになるまで待たせて下さいといいました。私はそれではどうぞ御随意にと申して、あとは私の仕事にかかりました」
「それから……」
「それから……そのうちに芝山宇平さん――爺やさんです――芝山が出て来る、お手伝いのお末さんが出て来るで、賑やかになりましたが、そのうちに爺やさんが、どうも旦那さまの居間がおかしいぞということになり、それから……」
「ちょっと待った、それからのことは大寺警部に話したとおりだろうから、よろしい。ところで、ちょっと腑に落ちないことがあるんだ、小林さん」