轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じごくふうけい
地獄風景
江戸川 乱歩
「江戸川乱歩全集付録冊子 探偵趣味」平凡社、1931(昭和6)年5月10日~7月10日、9月10日~1932(昭和7)年1月8日、3月10日<br>メリー・ゴー・ラウンド以下「江戸川乱歩全集 第十一巻」平凡社、1932(昭和7)年4月10日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,774 字 · 108 页
つまり、ジロ楽園を空っぽにしてしまうのですね」
警察署長が腹立ちまぎれに怒鳴った。
「僕達は外に行く所がありません。いつもいう通り、僕達にはこの楽園が唯一の世界なんです。ここを見捨てる気にはなれませんよ。それよりも、もう一度探して下さい、もう犯人は分っているのです。捉えさえすればいいのです」
治良右衛門が不眠の為に青ざめた顔で頼んだ。
「探すと云って、どこをです。僕達はもう探し尽したじゃありませんか」
「僕に少し心当りがあるのです。あすこじゃないかと思う場所があるのです」
「どこです」
「地の底の水族館です」
「アア、あすこなら、十度も見たじゃありませんか」
木島刑事が口をはさんだ。
「見方がいけないのです。これは僕もたった今気づいたのですが、あすこには誰にも分らぬすばらしい隠れ場所があるんです。あの恐ろしい片輪者はそれを知っていたかも知れません」
「じゃ、そこへ案内して下さい」
署長が進まぬ口調で応じた。
木島刑事と五名の警官とが、治良右衛門のあとに従って、地底の水族館へと降りて行った。
そこにはコンクリート作りの長いトンネルが、曲り曲って続き、その両側の壁に、幾つもの大きなガラス窓が開いて、厚ガラスの外は、直に海底の景色になっていた。