轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页
「やあ」と、私は口に出して言って、末弘の傍に行って、
「どうですか」
そう言ってT館の看板に眼をやると「従軍漫才」江戸の助さん、格さん、「浪曲漫才」立花家小円、吉原家〆八、「和洋合奏漫才」浮世界銀猫、出羽三などと書いてあるなかに、小さく
ユーモラス 亀家ぽんたん
漫才 兎家ひょうたん
とあるのが、私の酔眼にはそこだけ特に大きく映った。
「いやどうも、ひょうたんぼっくりこですわ」
何の意味かわからないが、おそらく末弘自身もわからないのかもしれないが、そう言って後頭部に手をやってペチャンと叩いて笑ったので、私も同じように口を開けて声のない笑いを笑った。兎家ひょうたんというのは、他ならぬ末弘の芸名なのである。とうとう漫才の芸人になったのである。亀家ぽんたんが、一月三十円のみいりではとてもやりきれないので、場末の小屋で稼ごうと兄貴分の鶴家あんぽんに言うと、格が下るから駄目だと「兄貴」が承知しないで、困っているという話は前に書いたが、そんなことが原因してか、やがて二人は「夫婦別れ」をしてしまった。ちょうど、末弘が私の言葉で言えば「着々、漫才に転向中」のときで、そして相棒に選んだドサ貫が転向を肯んじないので弱っているときだったので、その末弘とぽんたんが新しいコンビをつくった。