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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页
それを陽にあててやっている。盆栽は、ほんのひとときの喜びながら、じっと陽の恵みを楽しんでるといった恰好だった。僕は、その盆栽にお女郎さんを感じた。同時に、同じことだが、お女郎さんに哀れな盆栽を感じたですね。――以来僕は盆栽というものが嫌いになった。盆栽の趣味を枯淡とかなんとか言うのはうそですね。むごたらしいもんじゃないですか」
「書けるですな。その風景は」
私は、うんとうなずいて、
「吉原といえば、K劇場の瓶口黒須兵衛は引手茶屋の息子だそうですね」
朝野は、うんとうなずいて、私の顔をマジマジとみつめる。
「なんですか」
「いや」朝野はソッポを向いて「倉橋君は、K劇場へ行くのを、さっきいやがったが……。もともと行こうと言うと、いやだとは言っていたが……」これまではつぶやくように言って「――もとと今と、どうなんですか、同じ心境からなんですか。それとも……」
これは酒臭い息を私に吹きかけながら言った。
「心境?」なんのことかわからない。
「今日いやだと言ったのと、もといやだと言ったのと同じ気持ですか」
舌を縺らせて言ったが、その舌の縺れに腹を立てたのか、私の返事を待たず、ええ面倒臭い、言っちまえといった調子で、