轻松读懂日语经典作品
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
「朝日新聞 夕刊」1962(昭和37)年4月1日~10月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 201,379 字 · 394 页
彼は話を戻した、「あっしがそう云うと、くに子のやつあ首をかしげて考えたっけ、やがてまた首をこっちへかしげて、自分でもわからないが、お店にいたじぶんマダムに云われたことがある、そういうときには気をそらして、なにかほかのことを考えるんだって、さもなければ躯が続かないよってさ、念を押して云われたのが癖になったのかもしれないってんだ、そんなことがあるのかな、え、たんばさん」
「さーてね」老人はちょっと考えてから、労るように云った、「――あるかもしれないな、世間ずれのしていない、箱入り女房ともなればな」
「世間ずれがしなさすぎるよ、ほんとに、十八のとしから七年の余もバー勤めをしていてそれなんだから、まったくうぶってったって限界があろうじゃねえか、そうでしょうたんばさん」
「大事にしてやるんだな」と老人は云った、「いまにいいかみさんになるよ、きっと」
そのくに子は、家で仰向きに寝ころんで「ひとのかかをすれば極めて多忙である」という意味の唄をうたっていた。
枯れた木
平さんは独り者で、手作りの小屋に住んでいる。古い材木の柱を四本立て、まわりに古板を打ち付け、屋根も古板の上へ古トタンを張ったものだ。