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がくもんのすすめ
学問のすすめ
福沢 諭吉
「学問のすすめ」1872(明治5)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 87,080 字 · 170 页
ならん。すなわちこれ挽碓なり。古はこの挽碓を人の手にて回すことなりしが、後世に至りては碓の形をもしだいに改め、あるいはこれを水車、風車に仕掛け、あるいは蒸気の力を用うることとなりて、しだいに便利を増したるなり。
何事もこのとおりにて、世の中の有様はしだいに進み、昨日便利とせしものも今日は迂遠となり、去年の新工夫も今年は陳腐に属す。西洋諸国日新の勢いを見るに、電信・蒸気・百般の器械、したがって出ずればしたがって面目を改め、日に月に新奇ならざるはなし。ただに有形の器械のみ新奇なるにあらず、人智いよいよ開くれば交際いよいよ広く、交際いよいよ広ければ人情いよいよ和らぎ、万国公法の説に権を得て、戦争を起こすこと軽率ならず、経済の議論盛んにして政治・商売の風を一変し、学校の制度、著書の体裁、政府の商議、議院の政談、いよいよ改むればいよいよ高く、その至るところの極を期すべからず。試みに西洋文明の歴史を読み、開闢の時より紀元一六〇〇年代に至りて巻を閉ざし、二百年の間を超えて、とみに一八〇〇年代の巻を開きてこれを見ば、誰かその長足の進歩に驚駭せざるものあらんや。ほとんど同国の史記とは信じ難かるべし。