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がくもんのすすめ
学問のすすめ
福沢 諭吉
「学問のすすめ」1872(明治5)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 87,080 字 · 170 页
を終わりたりと言うべし。ゆえに一軒の家に居てわずかに衣食する者は、これを一家独立の主人と言うべし、いまだ独立の日本人と言うべからず。
試みに見よ、方今、天下の形勢、文明はその名あれどもいまだその実を見ず、外の形は備われども内の精神は耗し。今のわが海陸軍をもって西洋諸国の兵と戦うべきや、けっして戦うべからず。今のわが学術をもって西洋人に教ゆべきや、けっして教ゆべきものなし。かえってこれを彼に学んでなおその及ばざるを恐るるのみ。外国に留学生あり、内国に雇いの教師あり、政府の省・寮・学校より、諸府諸港に至るまで、大概みな外国人を雇わざるものなし。あるいは私立の会社・学校の類といえども、新たに事を企つるものは必ずまず外国人を雇い、過分の給料を与えてこれに依頼するもの多し。彼の長を取りてわが短を補うとは人の口吻なれども、今の有様を見れば我は悉皆短にして彼は悉皆長なるがごとし。
もとより数百年来の鎖国を開きて、とみに文明の人に交わることなれば、その状あたかも火をもって水に接するがごとく、この交際を平均せしめんがためには、あるいは彼の人物を雇い、あるいは彼の器品を買いて、もって急須の欠を補い、水火相触るるの動乱を鎮静するは必ずやむをえざるの勢いなれば、一時の供給を彼に仰ぐも国の失策と言うべからず。