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こさかいふぼくしゅうはしがき

少年科学探偵

小酒井 不木

小酒井不木『少年科学探偵』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「小酒井不木集」はしがき、深夜の電話、紅色ダイヤ、暗夜の格闘、髭の謎、墓地の殺人、塵埃は語る、白痴の知恵、玉振時計の秘密、頭蓋骨の秘密、自殺か他殺か、『少年科学探偵』序、紫外線、現場の写真、科学的研究と探偵小説。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 页

青空文庫

私が中へ入るなり、俊夫君は言いました。

「兄さん、さっそく顕微鏡の用意をしてくれ。むこうで取ってきた塵埃を検査したいから」

私は大急ぎで用意しました。

「皆さんと話しながら、検査したいから、この机の上へ持ってきて、電球を取りかえて、検査のできるようにしてくれないか」

やがて用意ができると、俊夫君はポケットから皺になった紙包みを取りだし、その中の塵埃を、耳かきですくって、対物ガラスの上にのせ、顕微鏡でのぞきました。

「色々なものがある」

こう言ってしばらくの間、俊夫君は熱心に検査しておりましたが、程なく顔をあげると、その顔には満足の色が浮かんでおりました。

「さて皆さん、これから僕が今晩どんな目にあったかをお話ししましょう」

と別に疲れた様子も見せず俊夫君は語りだしました。そのとき豊さんは、お父さんの膝にだかれて、大きい眼をぱっちりとあいておとなしくしておりました。

「僕が富田さんからのお迎えだという自動車にとび乗るなり、自動車が動きだしたのではっと思った途端、中に乗っていた男が、僕に猿轡をかけ、眼かくしをしました。

僕はその時、これはたぶん悪漢たちが、僕の邪魔するのを恐れて彼らの住家に連れてゆくにちがいないと思ったので、よし、それならば、必ず彼らの住家を見つけ、彼らを一網打尽にしてやろうと決心しました。