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こさかいふぼくしゅうはしがき

少年科学探偵

小酒井 不木

小酒井不木『少年科学探偵』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「小酒井不木集」はしがき、深夜の電話、紅色ダイヤ、暗夜の格闘、髭の謎、墓地の殺人、塵埃は語る、白痴の知恵、玉振時計の秘密、頭蓋骨の秘密、自殺か他殺か、『少年科学探偵』序、紫外線、現場の写真、科学的研究と探偵小説。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 页

青空文庫

と俊夫君は言いました。

「なーんだ。すると、この白い文字は人目を迷わせるつもりで書いたのか?」

小田さんは太息をついて申しました。

「そうですよ。だから逆さまに読んでも斜に読んでも意味をなさぬのです」

私たちは暗室を出て再び応接室に戻りました。

「いったい、この本郷云々という所書きは何でしょう?」

と私は小田さんに尋ねました。

「そうだねえ、死んだ男の住所かもしれないねえ」

と、小田さんは頭を傾げて答えました。すると俊夫君は、

「とにかく、ここを今から訪ねてみようじゃありませんか」

と申しました。

私たちは、直ちに支度をして自動車を雇い、湯島新花町をさして走らせました。

二十六番地の一は、ある閑所のつき当たりの二階造りの家でしたが、驚いたことに、表の格子に、「貸し家」の札が貼られてありました。隣の家で聞いてみると、この家は、夜になると時々人の歩くようなもの音が聞こえるので、化け物屋敷だと言って、久しく借り手がないということでした。

しかし家主が一軒置いて隣にありましたので、小田さんは許可を得てきて、私たちは、空き家の中に入りました。表の戸には錠が下ろしてなく、家の中はずいぶん荒らされておりました。