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こさかいふぼくしゅうはしがき
少年科学探偵
小酒井 不木
小酒井不木『少年科学探偵』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「小酒井不木集」はしがき、深夜の電話、紅色ダイヤ、暗夜の格闘、髭の謎、墓地の殺人、塵埃は語る、白痴の知恵、玉振時計の秘密、頭蓋骨の秘密、自殺か他殺か、『少年科学探偵』序、紫外線、現場の写真、科学的研究と探偵小説。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 页
小説なかんずく探偵小説は、私の外国留学中、多大の楽しみを供給してくれたのみでなく、私の専門の科学研究にも多大の力を与えてくれた。科学的研究に最も必要なるは観察力と想像力とである。しかして探偵小説はいかに事物を観察し、いかに想像を働かすべきかを教えてくれた。実際、昔から優れた科学者は観察力と想像力のよく発達した人たちであった。
たとえばニュートンは林檎が落ちたのを見て、これは地球が引っ張るのではないかと想像してみた。さらに、この引く力はどんな大きさであるかを知らんと欲して、色々考えを巡らした。引力は地球の中心にあるに違いない。それゆえ地表での物体の目方は地球の中心から四千哩隔たった所における目方である。
すると次に地球の中心よりもっと隔たった所において物体をはかってみなければならない。それには気球を用いてみたところが、上昇し得る距離は四千哩に比してあまりに小さい。しからばどうしたらよいか。彼の想像力はまさに月に及んだのである。月は地球から二十四万哩すなわち地球の半径の六十倍の距離にあるのだ。そこで彼は月の目方をはかってみた。そして月を仮に地表へ持ってきて計った目方の三千六百分の一であることを知った。