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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
中にも淀の散所は、左右の二つの組に分かれていたものらしい。左散所右散所という語は他にも所見がある。京大所蔵『竹屋文書』の中、日野資愛卿より竹屋殿に宛てた消息に、
一、左散所右散所事、散所神人などの事何か覚申候。是は宮本に常勤無之、在々所々に散在せし神人の事と被存候、拝見の文書中にては領知の事に申歟。差当り一向不二覚悟一候。自然心付候事有之候はゞ申上可仕候。
とある。これは竹屋卿よりなにか文書の中に左散所右散所のことがあって、その意味を質問したに対する返簡らしく、「拝見の文書中にては領知の事に申歟」とあるのをみれば、やはり前記の近衛家所領中に所々の散所を数えていたように、領知のことを書いたものの中に左散所右散所ということがあったものとみえる。もちろんそれが近衛家領の淀のであるか否かは明らかでない。なお、右の消息によると、日野卿も実際散所というものをよく知らなかったらしい。ただ散所神人ということに何か覚えがあるというくらいのことで、やはり祇園の犬神人のような、一種低級の神人と解していたようである。もとより確信をもって答えた語ではないけれども、それを神人の類とみていたところはすこぶる注意に値する。