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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
なるに相違ありません。また部落側の人々にしましても、真に自分の素性が何であるかを知り、何故に差別せられるようになったかがわかったならば、ためによく自覚自重して、いたずらに自暴自棄の弊に陥ることなく、社会の進歩に伴って向上発展しうるに相違ありません。そうあってこそ始めて真に差別が撤廃せられ、さらに進んですっかり融和してしまう時が来るのであります。私が多年部落の歴史を研究しまして、その宣伝につとめているのはまったくこれがためです。その境遇に同情して、人道の上から同じ人間を差別するのは不都合だと論じ、また国家社会の政策の上から、差別撤廃の急務を説くのはもとより必要のことではありますが、単にそれのみでは、理窟にはまけても情が承知しません。そこになんだか「筋が違う」のではないかとの疑いが心の底に遺って、表面上差別の撤廃が行われたとしたところで、真に心から底から融け合うということが容易ではありません。
およそ人間どうしの交際の上で、「筋が違う」ということほど、融和の邪魔をするものはありません。あのアメリカ合衆国においては、前後五年の久しきにわたった南北戦争の大犠牲をまではらって、立派に黒人の解放が実行せられたのでありましたが、しかもその後ここに六十年の歳月を重ねた今日に至って、ことに盛んに人道を説き、博愛を教えるクリ