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ぞくほうしこう

差別の根源を考える

喜田 貞吉

喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页

青空文庫

で、特別の事情があって解放せられる場合がなかったならば、子孫いつまでも父祖の身分をつがなければならなかったのです。むろんその賤民のうちにも、国家に属したものと、個人に属したものとありまして、いずれも下級の労役に服したものと存じます。

天皇陛下は上にましまして、多くの貴族の長にておわしたばかりでなく、御自身にも直属の土地人民を御所有になりました。その土地を耕す農民を田部とも、オオミタカラとも申しました。田部とは田を耕作する仲間ということで、それが訛ってタミ(民)という語ができました。またオオミタカラとは、天皇の大御田を耕すヤカラ(族)ということで、すなわち公民であります。この公民に対して貴族の付属民は私民であり、その下にさらに公私の奴隷があった訳です。

しかるに今から千二百八十余年前に、大化の改新という政治上の大改革がありまして、これまで貴族等の有した私地私民を国家に収め、ことごとくこれを公地公民と致しました。すなわち従来半自由民であった部曲の民は、みな一様にオオミタカラとなった訳です。そしてその大御田族なる公民には、男には二段ずつ、女には一段百二十歩ずつ、老幼に論なくことごとく公田を割り与えました。