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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
そこに知己親戚等の保護者があって、それを保証でもするならば格別、ただふらりと流れて来ただけであっては、本来どこの何者だかわかりもせず、郷里でどんな失敗をしたか、罪悪を犯したかも不明なのでありますから、先住の土着人がそれを親しまなかったのも無理はありません。また実際上、故障もなく安穏に郷里で生活しうるほどのものが、そんな時代にわざわざ郷里を離れて、知らぬ他郷に流寓するはずもないのですから、来り人とあってはどうで碌なものでないと思われても、彼らにとってはまったく致し方がなかったのです。そこで新来のいわゆる来り人なるものは、土着人からの屈辱に甘んじながら、依然浮浪民の待遇を受けながら、ともかくその村落都邑の場末の空地にでも小屋住居をして、土着の人々に仕事をさせてもらって、生活せねばならぬことになります。しかもその仕事といっても、地主に雇われて農奴となるとか、あるいは農業以外の雑職に従事するのでありますから、ますます賤視されるに至るのはやむをえません。中には勤倹努力の結果として、そこで産を興し、立派な人格を有するような人が出てきても、今になお来り人の筋として、結婚の場合にこれを忌避する地方がいくらもあります。