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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
いずれにしても大した騒ぎになったに相違ありません。そして永久に復興しえざる落伍者が、多数にできたに相違ありません。私は昨年岩手県へ参りまして、盛岡市の郊外の史蹟を視察いたしましたが、道の辻や、寺の門前などに、「餓死供養塔」だの、あるいは「餓死亡霊供養塔」などという石碑が、はなはだ多いのに驚かされました。また佐賀県へ参りました時には、その佐賀郡川上村に、享保十七八年の飢饉のために、川上一郷のみで餓死者二千六百四十余人を出したという、恐ろしい紀念の供養塔のあるのを聞きまして、はなはだしく驚かされたことでありました。しかしこれはたまたまその石碑が建っているがために、ことさらに深く後人を感ぜしめるのでありまして、その碑のない地方においても、それと似た事実は、実際上たびたびあったのであります。
室町時代寛正二年には、前年に諸国が大旱で、米が取れなかったがために、各地に多数の餓死者が出ましたが、その生き残ったものも、郷里にいては喰えぬので、盛んに京都に流れて参りました。しかし京都にはもう食物がある訳ではありません。またそう多勢の人を要するほどの仕事もありません。