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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
てそこに落ち込んできた以上、相変らず非人よ、小屋者よと賤視せられて、それを子孫に伝えたものなのでありました。
そこで考えてみる。先年の関東に起った大震火災が、もしそんな時代に起ったのであったとしたら、その結果はどうであったでありましょう。前に述べたように、その多数は悲惨な終りを遂げ、あるいは浮ぶ瀬のない落伍者となったでありましょうが、それが今のありがたい昭代のお蔭によって、ともかくも無事に納まるところへ納まりました。ただし今日もなお今もって復興の実を挙ぐるをえず、相変らず公設のバラックに収容せられて、国家の世話になっている気の毒なものもないではありません。しかし世間はこれをみて、非人だ、小屋者だなどと軽蔑するものが一人でもあるでありましょうか、そのバラック村には出世村の名をつけて、他日の出世を期待祝福しているということが、いつかの新聞にみえていたのを記憶しておりますが、失礼な言い分ながら、昔ならばこの人々はいわゆる非人小屋の非人として、また小屋者として、子々孫々の末までも、永く社会の賤視を免れなかったに相違ないのであります。これを思うといわゆる非人なるものの地位も、ハッキリわかって来ようというものです。