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ぞくほうしこう

差別の根源を考える

喜田 貞吉

喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页

青空文庫

北山はいわゆる北山十八間戸の癩者の住地にその名が存し、『坊目考』に、「当郷(川上)と今在家と人家を隔る事一町半許。此間坂あり、般若坂是なり。北山十八間戸(癩者)及東坂(屠者)等あり」とみえているところである。これらの地方は東大寺の北門外で、古くその所領に属しておった。応仁・文明頃の川上の唱門も、おそらく同寺使役の人夫であったのであろう。北山から山城へ越える坂を奈良坂という。古えの奈良坂は平城京から北へ越える所で、今の歌姫越に当たり、今の奈良坂は古えの般若寺越で、『源平盛衰記』などの記するところでは、なおその通りになっているが、平城京廃して東大寺・興福寺・春日神社などの付近地方が奈良の名を占有するようになったので、いつしか般若寺越に奈良坂の名が移った。『平城坊目考』や吉田博士の『地名辞書』などには、この区別を混同して、今の奈良坂を古えの奈良坂の如くに解し、『延喜式』内奈良豆比古神社を今の奈良坂の春日社に当てているが、これはもちろん従いがたい説である。しかし般若寺坂を奈良坂と言い出したのもおそらく鎌倉時代以来のことで、仁治・寛元の頃に東大寺領奈良坂の非人と、京都清水坂の非人とが闘争に及んだことがあった。