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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
とあって、陰陽師を犬神人または夙の類にみているのである。『郷土研究』(二巻一〇号六一頁)に岡市正人氏が北河内地方の特殊部落として報告されたところによるも、同地方に穢多・夙・正文(唱門)などというのがあって、
正文に至りては普通農民よりも寧ろ優りたる生活をなす者あり。彼等は之を歴代と称へ居れり、土御門家より出したる陰陽師の免状を伝へ、之を薄墨の綸旨と云ひ、系図など所持する者あり。近年士族に編入せられたる者もあり。業務は農を本位とし、商工業をもなせり。婦女子には往々にして美人あり。但普通民が婚嫁を嫌ふことは三部落皆同じ。
とある。陰陽師すなわち唱門と認められていたことはこれによっても知られよう。この類のことは柳田國男君の『郷土研究』(三巻二号「山荘太夫考」、四巻二号「唱門師の話」、其の他)にはなはだ多く引用せられてあるから、願わくはそれについてみていただきたい。されば由緒正しい旧家だと言われる中尾氏などのことはしばらく別物として、一般陰陽師が唱門の徒として、世間から低く認められていたことは到底これを否定することができぬ。そして奈良四箇の陰陽師居所の一つなる陰陽町が、里俗に唱門が辻子と呼ばれたということも、またこれを裏書きするものではあるまいか。