轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

にじ

彩虹

山本 周五郎

「講談雑誌」博文館 、1946(昭和21)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,898 字 · 28 页

青空文庫

六

四人はなお噂が脇田から出ているという事実の詳細を述べ、必要ならすぐ老職評定を開こうと云って帰った。……伊兵衛はまるで胸へ鉛でも詰められたような重苦しい気持だった。なぜそんな気持になったのか判然としないが、正直に云って宗之助と会いたくないのはたしかだった。今の場合、彼にその話をする者は自分だけで、それがわかっているからひき受けたのだが、帰藩して以来の態度をみると、会って話しても彼がすなおに受け付ける可能性は少い。

――ぜんたい脇田はなにを考えてあんなことをしたのか。

四人が去ったあと、明け放した座敷から秋色の眼立ちはじめた庭の樹立を眺め、かなりながいこと伊兵衛は独り考え耽っていた。そこへ母が来て、

「さえさんが来ていますよ」

と伝えた。

「なんだか貴方に話があるのですと、こちらへよこしますか」

「そうですね」

伊兵衛は母を見た。

「……なんの話か知りませんがここがいいでしょう」

六

はいって来たさえは部屋の隅へ坐り、身をすぼめるようにしながら会釈した。ぜんたいに窶れているようだし、肩をすぼめるような身ごなしも、羞を含んだ哀しげな微笑のし方にもかつて見たことのない寂しそうなかげが滲み出ていた。