轻松读懂日语经典作品
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おもいだすことなど
思い出す事など
经历生死关头后,作者用细腻笔触回忆那段病中时光,那些细微的光影与人事,读来既心酸又温暖。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,003 字 · 113 页
それほど衰弱の劇しい時にですら、わざわざとこんな道経めいた文句を写す余裕が心にあったのは、今から考えても真に愉快である。子供の時聖堂の図書館へ通って、徂徠の園十筆をむやみに写し取った昔を、生涯にただ一度繰り返し得たような心持が起って来る。昔の余の所作が単に写すという以外には全く無意味であったごとく、病後の余の所作もまたほとんど同様に無意味である。そうしてその無意味なところに、余は一種の価値を見出して喜んでいる。長生の工夫のための列仙伝が、長生もしかねまじきほど悠長な心の下に、病後の余からかく気楽に取扱われたのは、余に取って全くの偶然であり、また再び来るまじき奇縁である。
仏蘭西の老画家アルピニーはもう九十一二の高齢である。それでも人並の気力はあると見えて、この間のスチュージオには目醒しい木炭画が十種ほど載っていた。国朝六家詩鈔の初にある沈徳潜の序には、乾隆丁亥夏五長洲沈徳潜書す時に年九十有五。とわざわざ断ってある。長生の結構な事は云うまでもない。長生をしてこの二人のように頭がたしかに使えるのはなおさらめでたい。不惑の齢を越すと間もなく死のうとして、わずかに助かった余は、これからいつまで生きられるか固より分らない。