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おもいだすことなど

思い出す事など

夏目 漱石

经历生死关头后,作者用细腻笔触回忆那段病中时光,那些细微的光影与人事,读来既心酸又温暖。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,003 字 · 113 页

青空文庫

ちょうど画を前後して余の嗜好に上った詩と同じく、いかな大家の筆になったものでも、いかに時代を食ったものでも、自分の気に入らないものはいっこう顧みる義理を感じなかった。(余は漢詩の内容を三分して、いたくその一分を愛すると共に、大いに他の一分をけなしている。残る三分の一に対しては、好むべきか悪むべきかいずれとも意見を有していない。)

ある時、青くて丸い山を向うに控えた、また的と春に照る梅を庭に植えた、また柴門の真前を流れる小河を、垣に沿うて緩く繞らした、家を見て――無論画絹の上に――どうか生涯に一遍で好いからこんな所に住んで見たいと、傍にいる友人に語った。友人は余の真面目な顔をしけじけ眺めて、君こんな所に住むと、どのくらい不便なものだか知っているかとさも気の毒そうに云った。この友人は岩手のものであった。余はなるほどと始めて自分の迂濶を愧ずると共に、余の風流心に泥を塗った友人の実際的なのを悪んだ。

それは二十四五年も前の事であった。その二十四五年の間に、余もやむをえず岩手出身の友人のようにしだいに実際的になった。崖を降りて渓川へ水を汲みに行くよりも、台所へ水道を引く方が好くなった。