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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
北原白秋「婦人公論 第四十三巻第一号」1958(昭和33)年1月号<br>高村光太郎「婦人公論 第四十三巻第二号」1958(昭和33)年2月号<br>萩原朔太郎「婦人公論 第四十三巻第三号」1958(昭和33)年3月号<br>釈迢空「婦人公論 第四十三巻第四号」1958(昭和33)年4月号<br>堀辰雄「婦人公論 第四十三巻第七号」1958(昭和33)年7月号<br>立原道造「婦人公論 第四十三巻第八号」1958(昭和33)年8月号<br>津村信夫「婦人公論 第四十三巻第九号」1958(昭和33)年9月号<br>山村暮鳥「婦人公論 第四十三巻第十一号」1958(昭和33)年10月号<br>百田宗治「婦人公論 第四十三巻第十二号」1958(昭和33)年11月号<br>千家元麿「婦人公論 第四十三巻第十三号」1958(昭和33)年12月号<br>島崎藤村「婦人公論 第四十三巻第六号」1958(昭和33)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,728 字 · 231 页
さみしきかげをとりかこめり。
註 六行目、び、は「美」
八行目、あい、は「愛」
気稟
鴉は
木に眠り
豆は
莢の中
秋の日の
真実
丘の畑
きんいろ。
蔓
ひとすぢのつるをたぐる
ひとすぢのつるのくずばな
しろがねのをゆびさしのべ
そのつるをたぐる
むらさきのはなのかなしみ
いとほのかなるにほひは
わがむねにおそろしきあらしをよぶか
うつくしきつるたぐる
水戸の高等学校に講演を頼まれ萩原朔太郎と二人で出掛けたが、その出立の日に初めて山村暮鳥夫人を訪ね、挨拶がわりの門前の立話でお別れした。それはその前の日に、那珂川のほとりまでくるまで往って、那珂川という洪水後の大川を見たのであった。その途中に偶然に丘状を作った林の中、叢の深い間に小径のついた暮鳥の詩碑を見出して、くるまを停める間もなく過ぎて了った。くるまを停めて態々詩碑をあおぎ見るには、学校側の案内する人への気兼と、妙な気恥かしさがあった。だから私は言いかけてくるまは停めなくともよいと言って、剛情に素通りして了ってから、降りて詩碑の頭をなでて見たかったとも言ったが、詩碑の嫌いな萩原は何も言わず気にもしないふうであった。学校側の人に聞くと暮鳥夫人は水戸市にいられ、産婆の業をしていられると言われた。