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わがあいするしじんのでんき

我が愛する詩人の伝記

室生 犀星

北原白秋「婦人公論 第四十三巻第一号」1958(昭和33)年1月号<br>高村光太郎「婦人公論 第四十三巻第二号」1958(昭和33)年2月号<br>萩原朔太郎「婦人公論 第四十三巻第三号」1958(昭和33)年3月号<br>釈迢空「婦人公論 第四十三巻第四号」1958(昭和33)年4月号<br>堀辰雄「婦人公論 第四十三巻第七号」1958(昭和33)年7月号<br>立原道造「婦人公論 第四十三巻第八号」1958(昭和33)年8月号<br>津村信夫「婦人公論 第四十三巻第九号」1958(昭和33)年9月号<br>山村暮鳥「婦人公論 第四十三巻第十一号」1958(昭和33)年10月号<br>百田宗治「婦人公論 第四十三巻第十二号」1958(昭和33)年11月号<br>千家元麿「婦人公論 第四十三巻第十三号」1958(昭和33)年12月号<br>島崎藤村「婦人公論 第四十三巻第六号」1958(昭和33)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,728 字 · 231 页

青空文庫

とうたったそれが、迢空自らのうえにも加えられていた。これを書く私にすらいずれは来るはずのそれを、いか様にしても人間は拒むことが出来ないのだ。

新盆

盂蘭盆会 近づきにけり―。

しづかなる空に むかひて

なげきせむ我と 思ひきや―

(中略)

わが子は つひに還らず―

わが子を いつとか待たむ―。

わが子の果てにし 島に、

しづかなる月日経行きて、

そのあとも今は 消ゆらむ―。

日曝しにさらす 毛ごろも

ありし日の汝が服見れば、

染め深き青鈍色も

かくならむ兆の喪の色―。

かくなりて 何か思はむ。

盂蘭盆の棚をつくりて

供へたる野山の物の

あな寂し 色ぞ花やぐ―。

芋 瓜の牛馬つくり

我ひとり見つゝぞ 笑ふ。

あまり 拙劣に―

反歌

都べの盆の月夜の 身に沁みて苛き 暑さを ことしさへ在り

はるかなる島べの土の、目にしみて 我はおもほゆ。盆の月夜に

折口家にひとりの美しい中年の女の人が、だいぶ以前から仕えていた。神式の葬礼の日に彼女は化粧はしていないが、面長で血色の好い口かずもすくなげなその女の人が、茶とか座ぶとんとか色紙類とか、門人が品物の在りかを聞くと直ぐうなずいて、それに応えて品物を取り出すふうは折口家に親しい間柄に見えた。