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わがあいするしじんのでんき

我が愛する詩人の伝記

室生 犀星

北原白秋「婦人公論 第四十三巻第一号」1958(昭和33)年1月号<br>高村光太郎「婦人公論 第四十三巻第二号」1958(昭和33)年2月号<br>萩原朔太郎「婦人公論 第四十三巻第三号」1958(昭和33)年3月号<br>釈迢空「婦人公論 第四十三巻第四号」1958(昭和33)年4月号<br>堀辰雄「婦人公論 第四十三巻第七号」1958(昭和33)年7月号<br>立原道造「婦人公論 第四十三巻第八号」1958(昭和33)年8月号<br>津村信夫「婦人公論 第四十三巻第九号」1958(昭和33)年9月号<br>山村暮鳥「婦人公論 第四十三巻第十一号」1958(昭和33)年10月号<br>百田宗治「婦人公論 第四十三巻第十二号」1958(昭和33)年11月号<br>千家元麿「婦人公論 第四十三巻第十三号」1958(昭和33)年12月号<br>島崎藤村「婦人公論 第四十三巻第六号」1958(昭和33)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,728 字 · 231 页

青空文庫

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この村はどこへ行つても いい匂がする

僕の胸に

新鮮な薔薇が插してあるやうに

そのせゐか この村には

どこへ行つても犬が居る

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西洋人は向日葵より背が高い

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ホテルは鸚鵡

鸚鵡の耳からジュリエットが顔をだす

しかしロミオは居りません

ロミオはテニスをしてゐるのでせう

鸚鵡が口をあけたら

裸の黒ん坊がまる見えになつた

堀辰雄は私生活の事は一さい口にしない人であった。従っていま何々の小説を書いているとか、お金がほしいとか、どこそこの令嬢が美人であるとか、こんな家を建てて住んで見ようとか、何処かに原稿を持ち込もうとか、家庭の様子がどうだとかいうことは口にしたことがなかった。だから友人とか先輩とかの行状、悪口、かげ口もしなかった。その心にも、他人を痛烈に憎むという気の荒立ちがなく、そういう人の行状を耳にすることを避けているふうがあった。歯医者の療治をうけると貧血を起すという堀は、自転車から転がり落ちた女の子の膝がしらの血を見て、たちまち顔色蒼然のあわれみを催おす人だった。手なんぞ見ても、小ぶとりの柔らかい指に、しとやかな肉つきをもっていた。この人は女の子だったのが間違って男の子に生まれたのではないかと、私はいつも同じ優しい瞬きを見せている堀を見て、そう思った。