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「しなゆうき」

支那游記

芥川 竜之介

芥川龙之介受报社之命游中国,出发前还笑话朋友怕晕船,结果自己一上船就吐得稀里哗啦。这趟旅行到底会见识到啥?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 51,859 字 · 105 页

青空文庫

六 城内(上)

確か王次回の疑雨集の中に、「薬餌無徴怪夢頻」とか云う句がある。これは詩人が病気なのじゃない。細君の重病を歎いた詩だが、当時の私を詠じたとしても、この句は文字通り痛切だった。「薬餌無徴怪夢頻」私は何度床の上に、この句を口にしたかわからない。

その内に春は遠慮なしに、ずんずん深くなって行った。西村が龍華の桃の話をする。蒙古風が太陽も見えない程、黄塵を空へ運んで来る。誰かがマンゴオを御見舞にくれる。もう蘇州や杭州を見るには、持って来いの気候になったらしい。私は隔日に里見さんに、ドイヨジカルの注射をして貰いながら、このベッドに寝なくなるのは、何時の事だろうと思い思いした。

附記 入院中の事を書いていれば、まだいくらでも書けるかも知れない。が、格別上海なるものに大関係もなさそうだから、これだけにして置こうと思う。唯書き加えて置きたいのは、里見さんが新傾向の俳人だった事である。次手に近什を一つ挙げると、

炭をつぎつつ胎動のあるを語る

六 城内(上)

上海の城内を一見したのは、俳人四十起氏の案内だった。

薄暗い雨もよいの午後である。二人を乗せた馬車は一散に、賑かな通りを走って行った。