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「しなゆうき」
支那游記
芥川龙之介受报社之命游中国,出发前还笑话朋友怕晕船,结果自己一上船就吐得稀里哗啦。这趟旅行到底会见识到啥?
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 51,859 字 · 105 页
七 城内(中)
曇天にそば立った支那風の亭と、病的な緑色を拡げた池と、その池へ斜めに注がれた、隆々たる一条の小便と、――これは憂鬱愛すべき風景画たるばかりじゃない。同時に又わが老大国の、辛辣恐るべき象徴である。私はこの支那人の姿に、しみじみと少時眺め入った。が、生憎四十起氏には、これも感慨に価する程、珍しい景色じゃなかったと見える。
「御覧なさい。この敷石に流れているのも、こいつはみんな小便ですぜ。」
四十起氏は苦笑を洩した儘、さっさと池の縁を曲って行った。そう云えば成程空気の中にも、重苦しい尿臭が漂っている。この尿臭を感ずるが早いか、魔術は忽ちに破れてしまった。湖心亭は畢に湖心亭であり、小便は畢に小便である、私は靴を爪立てながら、匆々四十起氏の跡を追った。出たらめな詠歎なぞに耽るものじゃない。
七 城内(中)
それから少し先へ行くと、盲目の老乞食が坐っていた。――一体乞食と云うものは、ロマンティックなものである。ロマンティシズムとは何ぞやとは、議論の干ない問題だが、少くともその一特色は、中世紀とか幽霊とか、アフリカとか夢とか女の理窟とか、何時も不可知な何物かに憧れる所が身上らしい。