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「しなゆうき」
支那游記
芥川龙之介受报社之命游中国,出发前还笑话朋友怕晕船,结果自己一上船就吐得稀里哗啦。这趟旅行到底会见识到啥?
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 51,859 字 · 105 页
して見れば乞食が会社員より、ロマンティックなのは当然である。処が支那の乞食となると、一通りや二通りの不可知じゃない。雨の降る往来に寝ころんでいたり、新聞紙の反古しか着ていなかったり、石榴のように肉の腐った膝頭をべろべろ舐めていたり、――要するに少々恐縮する程、ロマンティックに出来上っている。支那の小説を読んで見ると、如何なる道楽か神仙が、乞食に化けている話が多い。あれは支那の乞食から、自然に発達したロマンティシズムである。日本の乞食では支那のように、超自然な不潔さを具えていないから、ああ云う話は生まれて来ない。まず精々将軍家の駕籠へ、種ヶ島を打ちかけるとか、山中の茶の湯を御馳走しに、柳里恭を招待するとか、その位の所が関の山である。――あまり横道へ反れすぎたが、この盲目の老乞食も、赤脚仙人か鉄枴仙人が、化けてでもいそうな恰好だった。殊に前の敷石を見ると、悲惨な彼の一生が、綺麗に白墨で書き立ててある。字も私に比べるとどうやら多少うまいらしい。私はこんな乞食の代書は、誰がするのだろうと考えた。
その先の露路へさしかかると、今度は骨董屋が沢山あった。此処はどの店を覗いて見ても、銅の香炉だの、埴輪の馬だの、七宝の鉢だの、龍頭瓶だの、玉の文鎮だの、青貝の戸棚だの、大理石の硯屏だの、剥製の雉だの、恐るべき仇英だのが、