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あたらしきぶんがく

新らしき文学

坂口 安吾

「時事新報」1933(昭和8)年5月4日~6日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,586 字 · 8 页

青空文庫

文学は常に反逆だ

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文学の真の新らしさは此の如き末梢的装飾によって瞞着さるべきでない。同時に此の如き末梢的装飾を新らしさの全てと誤解し、軽率に本質的な新らしささえ背を向け去った現下の現象は、これ又甚だ非文学的な現象と言わねばならぬ。なぜなら、「まことの新らしさ」は同時に文学の本質であるから。

年齢には年齢の、若さには若さの果実がある。そして時代に時代の果実がある。進歩と退歩に拘らず、全ては常に変化する。変化それ自らが常に厳然たる新らしさであるが、文学は変化の流れに押し流されるものではなく、時代創造的な「意志」によって、変化に方向と意志を与え得るものである。

文学は常に反逆だ

文学の領域は言うまでもなく個人である。個人を離れて文学は成り得ない。然し不滅の人間、不変のエゴは形而上学と共に亡び去っている。我々の個人は変化の一過程に於て歴史に続き永遠につながる。然し文学は単に変化への、そして時代への追随ではない。変化に方向を与える能動的な役割をなすものが文学であって、時代創造的な意思なくして文学は成り立たぬ。社会は常に一つの組織の完成を意味し、科学的なものであるが、個人は常に破壊的、反社会的であり、文学的である。